薬を通して皆様の健康をサポートします ケーファーマシー株式会社

〘薬剤師監修〙 コロナウイルス抗原検査キット・PCR検査・抗体検査の違いと特徴とは?
2022.11.03 | 薬剤師 小林和正

 

薬局で購入できるコロナウイルス抗原検査キットとPCR検査の違いとそれぞれの値段は?


 

コロナ抗原検査キットは、病院・薬局・ドラッグストアなど医療機関や調剤薬局などで検査できるキットになります。病院の場合は発熱外来対応病院へ、薬局の場合はコロナ抗原検査キットを販売している薬局で購入し、家で検査ができます。抗原検査のメリットはすぐに検査結果が出ることです。時間は15分~30分程度でその場で結果が判定できます。デメリットは鼻のウイルスを自分で採取しなくてはいけなく手技が多少手間がかかります。最近では唾液で検査できる抗原検査キットも販売されてきましたので、手間も少しずつ改善されてきている印象です。

 

コロナPCR検査キットは、主に病院で検査する場合が多いですが、一部PCR検査キットを販売している薬局もあります。こちらは唾液を採取して、提携クリニックに郵送して、検査結果が24時間以内にメールで届きます。メリットは唾液で採取でき、定量的(ウイルスがどの程度いるか)に判定ができる点です。デメリットは多少時間がかかる点です。

つい先日、ネット販売でも抗原検査は購入できるようになりました。届くまで時間かかるので、すぐ欲しく検査したい方は薬局で直接購入するか病院で検査する方が良いかもしれません。

抗原検査キットの値段は、1個1500円~3000円(税込み)程度で薬局で購入できます。メーカーによって多少値段が異なるので、薬局のHPなどから価格を確認してください。

PCR検査キットは、にしたんクリニックのPCR検査キットがあり、こちらは1個11000円~16500円(税込み)で販売されております。

 

抗原検査・PCR検査と抗体検査の違いは?


抗原検査・PCR検査は、今現在ウイルスに感染しているかどうかを調べる検査であるのに対し、抗体検査は過去に感染して今現在コロナの抗体があるかどうか、つまり今でなく過去にかかったことがあるかどうかを調べる検査です。

そのため、抗体検査は血液を採取して、抗原抗体反応を行い抗体の有無を調べます。鼻や唾液では現状調べることができないため、血液を採取する痛みも伴うので、それなりの心構えが必要と言えます。

 

抗体検査と中和抗体検査との違い?


 

抗体検査とは、過去に感染したことがあるかを調べる検査です。現在の感染の状態(感染してから一定の時間が経過しているのか)、ウイルスに抵抗する能力(抗体)をすでに獲得しているのかを調べることができる検査です。

 

人は抗体を体内に持つことで、再び同じウイルスが体内に入ってきても抗体がウイルスを排除できるようになるため、以前に新型コロナウイルスにかかったことがある場合には、再発しにくくなります。

 

抗体検査キットでは、「IgM抗体」、「IgG抗体」という2種類の抗体を一度に調べることができます。IgM抗体は感染からおよそ1週間、IgG抗体はおよそ2週間後に検出されるようになるため、血液中にこれらの抗体が存在すれば過去に感染したかどうかの判定が可能となります

 

一方、中和抗体検査とは、コロナに特化した感染防止能力を持ったタンパク質(中和抗体)を検出する検査です。

中和抗体とは特定のタンパク質の活性を中和できる抗体のことで、ウイルスのスパイクタンパク質に結合して感染を防ぐ作用を示します。

コロナウイルスがヒトの細胞に感染する際、ウイルスは先端にあるスパイク部をヒトの細胞と結合させようとします。中和抗体は身代わりとなり、このスパイク部位に結合し、細胞を感染から守ります。

ファイザー社製をはじめとする新型コロナウイルスのmRNAワクチンは、接種によりmRNAがヒトの細胞内に取り込まれると、このmRNAを基に細胞内でウイルスのスパイクタンパク質が産生され、スパイクタンパク質に対する中和抗体産生及び細胞性免疫応答が誘導されることで、SARS-CoV-2による感染症の予防が可能であると考えられています。