秋の花粉症は春と何が違う?|ブタクサ・ヨモギ対策と市販薬の選び方【薬剤師が解説】
目次
「夏の終わりからくしゃみが止まらない」「風邪かと思ったら1か月続いている」——それは秋の花粉症かもしれません。
花粉症といえば春のイメージですが、秋にも花粉は飛びます。しかも原因となる植物も、飛ぶ距離も、対策の考え方も春とは異なります。
本記事では、秋の花粉症が春と何が違うのかを整理し、市販薬をどういう基準で選べばよいかを薬剤師が解説します。風邪との見分け方もあわせてご紹介します。
監修:小林 和正(管理薬剤師/ケーファーマシー株式会社 代表)
最終更新日:2026年8月
秋の花粉症は春と何が違いますか?
いちばんの違いは「花粉が飛ぶ距離」です。春のスギ・ヒノキは樹木の花粉で数十km飛びますが、秋のブタクサ・ヨモギは雑草の花粉で、数百m程度しか飛びません。

| 比べる点 | 春の花粉症 | 秋の花粉症 |
|---|---|---|
| 主な原因 | スギ・ヒノキ | ブタクサ・ヨモギ・カナムグラ |
| 植物の種類 | 樹木 | 雑草 |
| 飛ぶ距離 | 数十km | 数百m程度 |
| 花粉の大きさ | 比較的大きい | 小さく気管に入りやすい |
| 出やすい症状 | 鼻水・目のかゆみ | 鼻水・目のかゆみ・のどの違和感や咳 |
| 対策の考え方 | 広範囲に飛ぶため避けにくい | 草むらに近づかなければ避けられる |
この違いは対策に直結します。秋の花粉は近くでしか飛ばないため、原因の草に近づかないことが最も確実な対策になります。河川敷、空き地、公園の草むらなどが該当します。
もうひとつ、秋の花粉は粒が小さく気管の奥まで入りやすいとされています。鼻や目の症状だけでなく、のどの違和感や咳が出ることがあるのはこのためです。
秋の花粉はいつ飛びますか?
ブタクサとヨモギは8月から10月、カナムグラは9月から11月がピークです。イネ科の花粉は春から秋まで長く飛び続けます。

症状が出る時期から、原因の花粉をある程度絞り込めます。毎年同じ時期に症状が出るなら、その時期に飛ぶ花粉が原因である可能性が高いと考えられます。
飛散時期は地域や年によって前後します。正確に知りたい場合は、耳鼻科でアレルギー検査を受けると原因を特定できます。
秋の花粉症と風邪はどう見分けますか?
鼻水の状態と、症状の続く期間で見分けられます。透明でさらさらした鼻水が数週間続くなら、花粉症の可能性が高くなります。

秋は季節の変わり目で風邪も流行するため、判断に迷いやすい時期です。熱がある、鼻水が黄色く粘る、1週間ほどで治まったという場合は風邪が疑われます。
逆に、毎年同じ時期に同じ症状が出るという方は、花粉症を疑ってよいと思います。判断に迷う場合や熱が続く場合は、医療機関を受診してください。
飲み薬はどういう基準で選べばいいですか?
「第何世代の抗ヒスタミン薬か」と「眠くなりにくいか」の2点で選びます。商品名ではなく、成分名を見て判断してください。

第2世代の抗ヒスタミン薬
現在の市販薬の主流です。脳に入りにくい性質があり、第1世代より眠くなりにくいとされています。フェキソフェナジン、ベポタスチン、セチリジン、エピナスチンなどが該当します。
| 成分 | 服用回数の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| フェキソフェナジン | 1日2回 | 添付文書に眠気の注意記載がなく、運転に関する制限がありません |
| ベポタスチン | 1日2回 | 鼻づまりにも用いられます |
| セチリジン | 1日1回(就寝前) | 1日1回で済みます。眠気が出ることがあります |
| エピナスチン | 1日1回 | 1日1回で済みます |
「眠くなりにくい」は個人差があります。はじめて使う成分は、運転や大切な予定がない日にお試しください。
第1世代の抗ヒスタミン薬
クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミンなどが該当します。総合鼻炎薬に配合されていることが多い成分です。眠気が出やすいため、服用後の運転は避けてください。
お薬GOで取り扱いのある内服薬
下記はお取り扱い商品の一例です。どれが適しているかは症状や年齢によって異なります。ご不明な場合は薬剤師にご相談ください。
点鼻薬はどう使い分けますか?
点鼻薬には性格の違う2タイプがあり、使い方がまったく異なります。ステロイドを含むタイプと、血管収縮薬を含むタイプです。

ステロイド点鼻薬
鼻の粘膜の炎症をおさえるタイプです。効果が出るまでに数日かかることがありますが、毎日続けて使えます。鼻づまりが長く続く場合に用いられます。
市販のステロイド点鼻薬には第1類医薬品に分類される製品があります。購入時に薬剤師からの説明が必要です。
血管収縮薬を含む点鼻薬
鼻の血管を収縮させて、つまりを素早く楽にするタイプです。数分から十数分で効果を感じられます。
ただし、長く使い続けるとかえって鼻づまりが強くなることがあります。これは薬剤性鼻炎と呼ばれる状態です。つらいときの一時的な使用にとどめ、製品に記載された使用期間を守ってください。
お薬GOで取り扱いのある点鼻薬
第1類医薬品は、ご購入時に薬剤師から使用上の注意をご説明します。
目のかゆみには何を使えばいいですか?
抗アレルギー成分を含む目薬を選んでください。疲れ目用やコンタクト用の目薬では、かゆみの原因そのものには働きません。
| 目的 | 選ぶ目薬 | 代表的な成分 |
|---|---|---|
| かゆみを抑えたい | 抗アレルギー点眼薬 | クロモグリク酸、ケトチフェンなど |
| 花粉を洗い流したい | 洗眼薬・人工涙液 | 精製水を主体とした製品 |
| コンタクトのまま使いたい | コンタクト対応の製品 | 製品の表示をご確認ください |
| 子供に使いたい | 小児用の製品 | 対象年齢を必ずご確認ください |
目をこすると症状が悪化し、結膜を傷つけることもあります。かゆいときは冷たいタオルで冷やすと和らぐことがあります。
なお、コンタクトレンズを使用している方は、花粉の時期だけメガネに切り替えるという方法もあります。レンズに花粉が付着すると症状が強く出やすいためです。
お薬GOで取り扱いのある目薬
コンタクトレンズの使用有無や年齢によって選ぶ製品が変わります。
子供にも大人と同じ薬を使えますか?
使えません。小児用として販売されている製品を選んでください。大人用を量を減らして与えるのは適切ではありません。
子供用の薬は年齢と体重に応じて用量が設定されています。大人用を「半分くらい」と目分量で分けても、その子に適した量にはなりません。また、年齢によって使えない成分もあります。
小児用にはシロップタイプ、こども用の錠剤、こども用の目薬などがあります。購入時にお子様の年齢と体重をお伝えいただければ、薬剤師が適した製品をご案内します。
お薬GOで取り扱いのあるお子様向け製品
製品ごとに対象年齢が異なります。ご購入前に必ずご確認ください。
薬を使う前にできることはありますか?
あります。秋の花粉は近くでしか飛ばないため、避けることが有効な対策になります。

草むらに近づかない
ブタクサやヨモギは河川敷、空き地、公園の草むら、道路脇などに生えています。ジョギングや散歩のコースを見直すだけでも症状が変わることがあります。
家に持ちこまない
衣類に付いた花粉は玄関で払い落としてください。衣類用の花粉対策スプレーを使う方法もあります。洗濯物や布団を外に干すと花粉が付着するため、症状が強い時期は室内干しをご検討ください。
帰宅後に洗い流す
洗顔、うがい、洗眼で付着した花粉を落とします。マスクとメガネは、吸い込む量・目に入る量を減らすのに役立ちます。
お薬GOで取り扱いのある花粉対策グッズ
薬とあわせて使うことで、花粉に触れる量を減らせます。
よくある質問
Q1. 秋の花粉症は市販薬で対応できますか?
症状が軽い場合や、毎年同じ症状が出ていて原因がわかっている場合は、市販薬で対応できることが多いです。ただし、市販薬を2週間ほど使っても改善しない場合は、耳鼻科の受診をご検討ください。原因が花粉ではない可能性もあります。
Q2. 飲み薬と点鼻薬は一緒に使ってもいいですか?
併用されることはありますが、成分が重複する場合は注意が必要です。特に、複数の鼻炎薬を同時に使うと同じ成分を重ねて摂ることになります。併用をお考えの場合は、購入時に薬剤師へご相談ください。
Q3. 症状が出る前から飲み始めたほうがいいですか?
医療機関では、花粉が飛び始める前から治療を始める初期療法という考え方があります。市販薬の場合は、製品ごとに使用のタイミングが定められています。毎年決まった時期に症状が出る方は、早めに医師へご相談いただくとよいと思います。
Q4. 秋の花粉症で食べ物に注意することはありますか?
ブタクサやヨモギの花粉症がある方の一部で、特定の果物や野菜を食べたときに口の中がかゆくなることがあります。口腔アレルギー症候群と呼ばれます。ブタクサではメロン、スイカ、キュウリなどが知られています。症状が出た場合は医療機関へご相談ください。
Q5. 咳が出るのですが、花粉症と関係ありますか?
関係することがあります。秋の花粉は粒が小さく、気管の奥まで入りやすいとされており、のどの違和感や咳につながる場合があります。ただし咳の原因は他にもあるため、長引く場合は医療機関を受診してください。
Q6. 市販薬を買いに行く時間がないのですが。
お薬GOオンラインショップからご注文いただけます。どれを選べばよいか迷われる場合は、お電話でもご相談を承っています。第1類医薬品については、薬剤師から使用上の注意をご説明したうえでお届けします。
まとめ
秋の花粉症は、春とは原因も対策も異なります。
- 原因はブタクサ・ヨモギ・カナムグラなどの雑草です
- 花粉は数百mしか飛ばないため、草むらに近づかないことが有効です
- 飲み薬は成分名を見て、世代と眠気で選びます
- 点鼻薬はステロイドタイプと血管収縮薬タイプで使い方が違います
- 目薬は抗アレルギー成分を含むものを選んでください
- 子供には小児用の製品を使ってください
どれを選べばよいか迷われたときは、お近くの薬剤師へお声かけください。ケーファーマシーでも、秋の花粉症に関するご相談を承っています。
お問い合わせ・ご注文
有明ファミリー薬局 03-5579-6511(月〜日・祝日も受付)
市販薬のご注文:お薬GOオンラインショップ(配送料100円〜940円程度)
店舗:有明ファミリー薬局/田町芝浦ファミリー薬局/豊洲ファミリー薬局/蒲田駅前ファミリー薬局
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この記事の監修者
小林 和正(こばやし かずまさ)
管理薬剤師/ケーファーマシー株式会社 代表
薬剤師登録番号:438839
薬局開設許可番号:第0108161128号(有明ファミリー薬局)