旅行・帰省の常備薬15選|飛行機や海外に薬は持ち込める?【薬剤師が解説】
目次
「帰省先で子供が熱を出したら」「旅行中にお腹を壊したら」——出発前にいちばん気がかりなのは、慣れない土地で体調を崩したときのことではないでしょうか。
本記事では、旅行や帰省に持って行きたい常備薬15点を薬剤師がカテゴリ別にまとめ、あわせて飛行機への持ち込み・海外への持参・お子様への使い分けという判断に迷いやすい3つのポイントを解説します。出発前のチェックリストとしてお使いください。
監修:小林 和正(管理薬剤師/ケーファーマシー株式会社 代表)
最終更新日:2026年7月
旅行や帰省に常備薬は必要ですか?
必要です。旅行先や帰省先では、薬局や医療機関の場所がわからない、営業時間が合わない、そもそも近くにないという状況が起こりやすいためです。
特にお盆や年末年始の連休は、多くの医療機関が休診になります。夜間・休日でも対応している薬局を探すのは、土地勘のない場所では簡単ではありません。加えて、旅行中は生活リズムや食事内容が普段と変わるため、胃腸の不調・便秘・睡眠不足による体調の乱れが起こりやすくなります。
普段は薬をほとんど使わない方でも、使い慣れた薬を数点持っておくだけで、旅先での不安はかなり軽くなります。

旅行・帰省に持って行きたい常備薬15選は?
「痛み・熱」「胃腸」「アレルギー」「外傷・皮膚」「そのほか」の5カテゴリに分けて考えると、過不足なく準備できます。以下の15点が基本の構成です。

痛み・熱(2点)
1. 解熱鎮痛薬/2. 小児用の解熱鎮痛薬
大人用と子供用は別に用意してください。子供用にはシロップタイプや坐薬タイプがあり、年齢に応じて選びます。アセトアミノフェンを成分とする製品は比較的幅広い年齢で使われていますが、製品ごとに対象年齢が異なるため、購入時に必ずご確認ください。
胃腸(4点)
3. 整腸剤/4. 下痢止め/5. 胃腸薬/6. 便秘薬
旅行中にもっとも使う機会が多いカテゴリです。整腸剤は乳酸菌やビフィズス菌を含むもので、家族で使いやすいのが利点です。
注意していただきたいのが下痢止めです。食あたりや細菌性の下痢が疑われる場合、自己判断で下痢を止めることが適切でないケースがあります。発熱をともなう、血の混じった便が出る、症状が強いといった場合は、薬でしのがずに医療機関を受診してください。
アレルギー(2点)
7. 抗ヒスタミン薬(内服)/8. 目薬
帰省先の環境(動物、ハウスダスト、地域特有の植物)で症状が出る方は忘れずに。眠くなりにくいタイプもありますので、運転予定がある場合は薬剤師にご相談ください。目薬は人工涙液タイプがあると、乾燥した機内でも使えます。
外傷・皮膚(4点)
9. 絆創膏・滅菌ガーゼ/10. 消毒薬/11. 虫よけ・虫刺され薬/12. 日焼け後のケア用品
絆創膏はサイズ違いで数枚ずつあると使い勝手がよくなります。夏の帰省では屋外で過ごす時間が長くなりやすいため、虫よけと日焼け後のケア用品の優先度が上がります。
そのほか(3点)
13. 乗り物酔い薬/14. のど・かぜ薬/15. 経口補水液・体温計
乗り物酔い薬は乗車前に服用する種類が中心です。移動が始まってからでは間に合わないことがあるため、出発時刻から逆算して服用してください。夏の長距離移動では、経口補水液を人数分用意しておくと安心です。
飛行機に薬は持ち込めますか?
持ち込めます。機内に持ち込む液体物には制限がありますが、医薬品は制限の対象外として扱われます。必要な量を手荷物に入れて問題ありません。

預け荷物ではなく手荷物に入れてください
理由は3つあります。貨物室は温度変化を受けること、荷物が予定通り届かない事態が起こりうること、機内で使いたくなったときに取り出せないことです。特に常用している処方薬は、必ず手元に置いてください。
お薬手帳と薬剤情報提供書を携帯してください
保安検査で内容を尋ねられた際に、何の薬かをすぐ説明できます。処方薬については、薬局でお渡ししている薬剤情報提供書の写しを一緒に入れておくと安心です。
注射針をともなう薬剤は事前確認を
インスリン注射など針を使う薬剤、医療用の保冷材が必要な薬剤については、航空会社によって取り扱いが異なります。医師の診断書や証明書を求められることがあるため、搭乗予定の航空会社に事前にお問い合わせください。
※液体物の制限や保安検査の運用は、空港や路線によって異なる場合があります。最新の取り扱いは航空会社の案内をご確認ください。
処方薬を海外へ持って行っても問題ありませんか?
個人が使う量であれば、多くの国で持ち込めます。ただし日本では一般的に使われている薬でも、厳しく規制している国があります。渡航先の規制を必ず事前にご確認ください。

特に確認が必要な薬
- 睡眠薬・抗不安薬などの向精神薬:多くの国で規制対象です。医師の英文証明書を求められることがあります。
- コデインを含むかぜ薬・せき止め:日本では市販薬にも配合されていますが、持ち込みを禁じている国があります。
- プソイドエフェドリンを含む鼻炎薬:国によって規制されています。
- 医療用麻薬に分類される鎮痛薬:日本から持ち出す際にも手続きが必要になる場合があります。
準備しておくと安心なもの
- 英文の薬剤情報提供書
- 医師による英文の診断書・証明書(向精神薬などを携帯する場合)
- お薬手帳の原本
- 薬は元の包装のまま携帯する(中身だけを移し替えない)
また、一定量を超える薬を持ち出す場合や、海外から日本へ持ち込む場合には、別途手続きが必要になることがあります。詳しい条件は厚生労働省や地方厚生局の案内をご確認いただくか、当薬局の薬剤師にお問い合わせください。渡航先ごとの規制については、渡航先の在日大使館や日本の在外公館にご確認いただくのが確実です。
英文の薬剤情報提供書が必要な場合は、出発の1週間前までにご相談ください。準備にお時間をいただく場合があります。
子供に大人用の市販薬を分けて飲ませてもいいですか?
避けてください。量を減らせば安全になる、というものではありません。

年齢によって使えない成分があります
大人用の解熱鎮痛薬に配合されている成分の中には、小児では使用を避けることとされているものがあります。アスピリンはその代表例です。量の問題ではなく、成分そのものが小児に適さないケースがあるということです。
子供の用量は体重を基準に決まっています
小児用の薬は、年齢と体重に応じて用量が細かく設定されています。大人用を「半分くらい」と目分量で分けても、その子に適した量にはなりません。
錠剤を割るのは適していません
錠剤は成分が均一に分布しているとは限らず、割っても半分の量になるとは限りません。また表面のコーティングには、胃で溶けないようにする、苦味を抑えるといった役割があり、割ることでその働きが損なわれます。
小児用の製剤を選んでください
シロップ、坐薬、こども用の錠剤など、年齢に合わせた製品が用意されています。購入時に薬剤師へお子様の年齢と体重をお伝えいただければ、適した製品をご案内できます。
行き先によって追加したほうがよい薬はありますか?
あります。基本の15点に加えて、行き先の環境に応じたものを足してください。
海や山など屋外での活動が中心の場合
虫よけと虫刺され薬を多めに、日焼け後のケア用品、傷の手当て用品を厚めに準備します。夏場は経口補水液も忘れずに。熱中症対策については、経口補水液の選び方をまとめた記事もあわせてご覧ください。
ご高齢のご家族がいる場合
普段の処方薬の管理が最優先です。一包化されている場合はそのままの状態で持参し、飲み忘れが起きないよう服用時間を家族で共有しておくと安心です。
乳幼児と一緒の場合
小児用の解熱鎮痛薬、体温計、経口補水液は必ず。坐薬を持って行く場合は高温で溶けることがあるため、保冷剤とあわせて携帯してください。
長時間の車移動をともなう場合
乗り物酔い薬と、休憩ごとに水分補給ができる準備を。薬を車内に置いたままにするのは避けてください(後述のFAQをご覧ください)。

よくある質問
Q1. 常備薬はどのくらいの量を持って行けばいいですか?
市販の常備薬は数回分あれば十分なことが多いですが、毎日服用している処方薬は、旅行日数に加えて3〜5日分の余裕を持たせてください。移動の遅れや延泊に備えるためです。
Q2. 使用期限が切れた薬を飲んでも大丈夫ですか?
使用しないでください。使用期限は品質が保たれる目安であり、期限を過ぎたものは効き目や安全性が確認できません。出発前に手持ちの薬の期限を必ず確認してください。特に開封済みの目薬やシロップは、期限内でも開封後の使用期間が限られます。
Q3. 処方薬を旅行日数分まとめて出してもらえますか?
医師の判断によります。長期の旅行や帰省の予定がある場合は、受診時にその旨をお伝えください。日数を調整していただける場合があります。直前の相談では対応が難しいことがあるため、余裕を持ってご相談ください。
Q4. お薬手帳は本当に持って行く必要がありますか?
持って行ってください。旅先で受診することになった場合、その医師はあなたが普段どんな薬を使っているかを知りません。お薬手帳があれば、飲み合わせの確認が正確かつ迅速にできます。紙の手帳が手元にない場合は、電子版のアプリでもかまいません。
Q5. 帰省先で薬が足りなくなったらどうすればいいですか?
市販薬であれば、近隣の薬局やドラッグストアでご購入いただけます。処方薬の場合は、お薬手帳を持って近隣の医療機関を受診してください。当薬局のオンライン服薬指導と配送をご利用いただく方法もあります(後述)。
Q6. 車での帰省時、薬を車内に置いたままでも大丈夫ですか?
避けてください。夏の車内は非常に高温になり、薬の品質に影響します。坐薬は溶けることがあり、シロップや目薬も高温での保管には適しません。移動中も薬は手荷物として持ち歩き、駐車中の車内に残さないようにしてください。
お薬GOで常備薬をご購入いただけます
出発前に「あれが足りない」と気づいたとき、お薬宅配サービス「お薬GO」をご利用いただけます。ケーファーマシーでは、東京都江東区有明の有明ファミリー薬局を中心に、田町芝浦ファミリー薬局・豊洲ファミリー薬局・蒲田駅前ファミリー薬局の全4店舗で全国配送に対応しています。
- 配送料:100円〜940円程度(お届け先やお届け方法により異なります)
- 発送方法:ヤマト運輸・SBS・UBER宅配
- 東京23区プレミアム当日配送:送料940円(税別)〜
処方薬については、オンライン服薬指導にも対応しています。所要時間は5分程度で、薬剤師が服用方法や注意点をご説明します。処方箋の原本は、初回はメールでお送りいただき、2回目以降はお薬に同梱してお送りいただく形になります。
ご不明な点は、下記までお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ窓口
有明ファミリー薬局 03-5579-6511(月〜日・祝日も受付)
店舗:有明ファミリー薬局/田町芝浦ファミリー薬局/豊洲ファミリー薬局/蒲田駅前ファミリー薬局
まとめ
旅行・帰省前の常備薬は、「痛み・熱」「胃腸」「アレルギー」「外傷・皮膚」「そのほか」の5カテゴリ15点を基本に、行き先に応じて調整するのが効率的です。
- 薬は手荷物に入れ、お薬手帳を必ず携帯する
- 海外へ持って行く薬は、渡航先の規制を事前に確認する
- 子供には小児用の製剤を使い、大人用を分けて与えない
- 処方薬は日数+3〜5日分の余裕を持つ
- 薬を夏の車内に置いたままにしない
準備でご不安な点があれば、出発前にお近くの薬剤師へご相談ください。ケーファーマシーでも、旅行・帰省に向けた常備薬のご相談を承っています。
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この記事の監修者
小林 和正(こばやし かずまさ)
管理薬剤師/ケーファーマシー株式会社 代表
薬剤師登録番号:438839
薬局開設許可番号:第0108161128号(有明ファミリー薬局)
※本記事の情報は2026年7月時点のものです。医薬品の取り扱いや各国の規制は変更される場合があります。
※個別の症状やお薬の使用については、医師・薬剤師にご相談ください。